昔、テレビドラマで借金が返せなくて、家具などに赤い紙を貼られた家が出てきたことがありました。
「差し押さえ」と、書かれていたような記憶があります。
そこに、うなだれた家族の光景が映し出され、哀れさをその赤紙が象徴していました。
実は、昨日の私はこれを体験しました。
赤紙を貼られた方ではなく、貼った方です。
ある事業用賃貸で入居者がずっと家賃を滞納し、家主から契約解除をされても一向に出て行かない
物件があります。
弁護士に依頼し、裁判までかけ、強制執行の判決を得ました。
その執行前の催告に裁判所の執行官が来て、建物内の物品に差し押さえをしたのです。
その日が昨日で、弁護士と一緒に立ち合いました。
差し押さえた机とか書庫に紙を貼っていくのを、私が手伝ったというか全部私が貼りました。
80枚くらいです。
テレビで観たのは、七夕の短冊のような大きさでしたが、私に手渡されたのは、縦6センチ横3センチくらいのシールでした。
裁判所と執行官名、それと日付が記入されていました。
それを、机の下とか書庫は裏側とか、人の目に入らない位置に貼るように指示されました。
執行官は、ほぼ事務的に私に指示します。
最初は抵抗感がありましたが、枚数が増えるにつれ素早く貼れるようになりました。
パソコンが何台もありましたが、これは差し押さえ対象外のようです。
ハードディスク内の情報は持ち出せないので、これを消すための労力と費用が掛かり過ぎるとの理由です。
弁護士は、「ここまでされても出て行く意思を示さないのは初めてだと、ましてや事業をやっている人が」と、言っていました。
すいません、これ以上は書けないので失礼します。